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第56回 日本形成外科学会

4月3日から3日間開催された日本形成外科学会の総会に参加してきました。
北海道から沖縄まで、日本全国の形成外科医が集まる会です。

形成外科全体の学会ですから、美容外科のみならず形成外科の幅広い分野の発表がありました。朝8時30分から2、3の会場で同時進行して発表が行われますので盛りだくさんの内容です。

先天的な外見の異常に対する手術や腫瘍などの手術後の欠損を再建する手術、やけどやケロイドなどの治療、事故の後の修復手術などなど形成外科の範囲はとても広いのですが、それぞれに美容的要素が絡みますので参考になる技術に触れることができました。

話が逸れますが、「形成外科」と「美容外科」は一緒ですかという質問をよく受けますので書かせていただきますと狭い意味では美容外科は形成外科の中の一つの分野であり、また、広い意味ではすべての形成外科に含まれると考えられます。

狭い意味での美容外科は、より美しくなるため、若さを保つための医療です。
ボトックスやヒアルロン酸、ふたえやフェイスリフトなど一般的に思い浮かべる美容外科です。

広い意味での美容外科は形成外科の治療において常に考えられるべきものです。
たとえば、やけどや交通事故で傷を負った時、ただ傷がふさがればよいのではなく、機能の回復、元の形にもどす、傷が目立ちにくいように治すという美容的な要素は形成外科においては常に念頭に置かれていることです。

日本では国民健康保険があるので自費診療、保険診療と別れてしまい、美容外科と形成外科が別のもののように考えられがちですが、治療対象が異なるだけで技術的には共通しています。

というわけで、今回の学会では広い意味での美容外科について、美についての考え方や傷をいかにきれいに治すかなど、形成外科医として基本的なことでありながら、日々の美容外科に応用できるアイディアを再確認することができました。
また、全国的な学会に出席するといつも感じることですが、全国で同じような悩みを持つ患者さんがいて、全国で同じように治療に励んでいる医師がいるのを目の当たりにすると、当たり前のことですが、気持ちが新たに引き締まってきます。

海外よりドクター訪問

先日、カナダの形成外科医、アーサー・スイフト氏が当院を訪問されました。
ボトックス・ビスタの発売元であるアラガン・ジャパン様の計らいによります。
正規のボトックス・ビスタを使用しているクリニックに対し、よりレベルの高い知識を広めようというプログラムの一環だそうです。

ドクター・アーサー・スイフトは独自の計測器具を使用して“BeautyPHIcation”と称する美の基準に沿って施術方針を検討する考えを広めています。
「美」というのはあいまいなもので、国によっても時代によっても変化しますが、
自然界の美や長い過去の歴史を通じて存在する普遍的な美を研究して、
理想のバランス(黄金比のようなもの)に基づいて治療方針を立てるというアイディアを、とてもわかりやすく説明していただきました。
論文で読んだことがあったのですが、ご本人から直接説明を受けると立体的にわかりやすくとても勉強になりました。
直接日本人に当てはまらない部分もありますが、参考になる部分は日々の診療に取り入れさせていただこうと思います。
加えて、とてもジェントルマンで気さくな方で、いろいろな面で学ぶところの多いひと時でした。

医師も一人一人が理想の美について考え、探求を続けています。
私もより満足していただけるように日々勉強です。